「老後2,000万円問題」は誰しも聞いたことのある話題かと思います。
「標準的な老後を過ごすためには2,000万円は貯蓄等の資産が必要だよ!」という趣旨の話題ではありますが、
実際に老後のために2,000万円の資産が必要なのでしょうか。
片働き核家族(4人)をモデルケースとして、老後に「本当に」必要と思われる資産額を計算してみました。
その結果を以下に示します。
また、その結果を踏まえて、豊かな老後を目指すために、どういった対策をしていく必要があるのかを考察しています。
就職・結婚・出産等の節目を迎え、今後の資産管理に興味が出てきた人は、
本記事を読むことで、今後自らが取るべき対応策がわかります。
2,000万円の資産では、とても老後を乗り切ることができない可能性が高い
・老後を安心して暮らすためには4,000~6,000万円の資産が必要になってくる可能性が高い
・豊かな老後を目指すためには
①マイホームや子作りなどを諦めて生涯収支を合わせる
②節約、副業による増収、投資により資産を増やす努力をする
③片働き家庭は、共働き家庭にシフトすることも視野に入れる
など対応策が考えられる。
有名な老後2,000万円問題について
2019年に「老後2,000万円問題」が話題になったのは記憶に新しい人も多いかと思います。
これは、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の試算によって、
今後、日本の平均寿命が現在の80歳そこそこから90~100歳近くまで伸びることを考慮し、
退職後(老後)の30年で約2,000万円が不足する
という試算が示されたことが大々的に取り上げられ、世間を騒がせた問題です。
老後の生活においては年金などの収入で
足らざる部分は、当然保有する金融資産から
取り崩していくこととなる。65 歳時点に
おける金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、
単身男性、単身女性のそれぞれで、2,252 万円、
1,552 万円、1,506 万円となっている。なお、
住宅ローン等の負債を抱えている者もおり、
そうした場合はネットの金融資産で見ることが
重要である。
(2)で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合
には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
「高齢社会における資産形成・管理」P16, https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
発表当時は

国の年金体制はどうなっているんだ。2,000万円の資産なんてとても準備できない。今更そんなこと言われても困る!

いやいや、2,000万円では少なすぎるでしょ。
世間一般的には3,000万円は必要だとずっと言われてきたのに、この発言を聞いて今更騒いでいる人たちはバカなのか?

持ち家の人は住宅リフォームの資金も必要になるし、介護の費用も結構かかる。
今後は平均寿命もどんどん伸びていくことを考慮すると、昔から言われている資産3,000万円では全く足りないでしょ
といろいろな意見が飛び交ったことを覚えています。
我が家の老後必要資産は・・・
当時、我が家も結婚して子どもを作ろうかと思っていた矢先のお金の重要ニュースであり、
我が家では実際に、老後資産は2,000万円で足りるのか・足りないのかということを計算してみました。

世間一般で3,000万円必要って言われているんだから、それで足りるでしょ!!!
それくらいの資産なら簡単に貯まるでしょ!!!
と余裕ぶっこいて資産した結果・・・
2,000万円では全く足りねー!
ついでに2,000万円すら貯めるのツラすぎ!!!

と青ざめたことをよく覚えています。
投資や副業をしない場合、我が家の場合には5,000~6,000万円の老後資産が必要とわかりました。
(必要金額は各自の経済状況や生活水準に大きく左右されるため、皆さま各自試算することをおススメします。)
そんな大金は普通に働いて、ある程度の節約生活をしても、そう簡単に貯まる金額ではなく、このままでは、
今世間でよく言われている「生涯現役」「死ぬまで働く」生活になってしまうことがはっきりしたのです。

ありえへんわ・・・。
老後の必要資産の計算例
それでは、ここからが本編です(笑)
老後に必要な資産を計算していきます。
まず、
・生涯で必要になる経費(家の購入、子どもの養育費等)
・現在の年間収入と年間支出(年間収支)
を書き出して、次に現在の収支から老後の収支を計算・予測して、
65歳時の資産、死亡時の資産がどうなりそうか計算していきます。
今回の設定について(家族構成)
家族構成:夫婦(片働き、90歳まで生きると仮定する)、
こども二人(こどもは30歳、及び33歳に生まれたものとし、養育費・学費は大学卒業までの22年間かかるものとする)
※定年は65歳とする
※以下計算時に使用される各数値は世間一般的によく言われている数値を使用して計算しております。
各家庭によってさまざまですので、自分の場合に当てはめて計算し直しましょう。
生涯で必要になる経費
マイホーム(1戸建てとする)購入費 4,000万円
車の購入費 10年に一度買い替えし70歳前後まで乗車 200万円×4=800万円
養育費 100万円×22年間×2人=4,400万円
学費 1,000万円×2人=2,000万円
定年前後の住宅リフォーム費用 1,000万円
老人ホーム等に預かってもらうための費用 500万円×2人=1,000万円

いかに子育てにお金がかかるかわかります。
今の時代、子どもを2人以上持つということは、それだけで勇気の必要な選択であり、
覚悟が必要だと改めて感じさせるグラフになっています。
また、大きな出費のみ見ると、老後に必要な経費は2,000万円であり、
政府の試算もそれほど間違っていないという結果にも見えます。
現在の年間収支
手取り収入 片働き(会社勤め+パート)とすると 500万円程度
(会社勤めの方の額面年収500万円相当 +パート稼ぎ100万円程度)と仮定
年間の支出 300万円と仮定
(※家庭によって大きく変動)
年間収支は 500万円 ー 300万円 = 200万円となります。
老後の年間収支
手取り収入 年金のみとする。40年間働いたと仮定した場合、年金の公式サイト等で試算した場合、
厚生年金:8.4万円/月、国民年金:6.4万円/月×2人 トータル月21.2万円 年間254.4万円
と算出されますが、これは額面収入であるため、実際は税金が1~2割程度引かれます。
(※公的年金は雑所得扱いであり、年金額に対応した公的年金等控除額
(詳しくは国税庁:高齢者と税https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm参照)
を引いた残りの金額に約20%の税金がかかります。今回の例では110万円が控除額)

また、今後高齢化が進み、65歳以上の高齢者を働いて支える生産人口(15歳~64歳)が
2020年:2.06人 ⇒ 2065年:1.3人 と減ることが予測されているため、
最悪の場合には現在の6割程度(1.3÷2.06=0.63)まで年金が減ることが予想できるため、
実際の年収(手取り)は
{110万円(非課税)+(254.4 - 110)万円(課税)×0.8(税金ファクター)}
× 0.6(高齢化ファクター)=135.3万円 となります。
年間支出 現役世代の7割程度まで生活水準を落とすことを想定すると 210万円
年間収支は 135.3万円 ー 210万円 = ー74.7万円となります。
定年時、死亡時の資産状況は大赤字
以上の計算から65歳定年時と90歳死亡時の資産状況を計算すると
定年時:必要経費:-1億1,200万円 + 必要経費を除く収支:7,000万円 = -4,200万円
定年後: 必要経費:-2,000万円 + 必要経費を除く収支:-1,870万円 = -3,870万円
トータル 8,070万円の赤字!!!

いや、ちょっと待って、これ無理じゃん!死ねってことか?死ねってことだよな!?

上記計算から、老後に必要な資産としては3,870万円と算出されたことになります。
(※実際には住宅ローン控除や子ども手当、退職金などでもう少し赤字は減るかと思いますが、
上記ケースでは圧倒的にお金が足りないというのもまた事実です。)
これは、世間一般的に言われて始めている生涯現役生活が現実味を帯びてきました。
生涯現役を逃れるためにも、豊かな老後を目指すためにも、何をするべきか考察していきます。
老後資産確保のための対応策
上記の計算例ではトータルで8,000万円も収支が合っていません。
収支を合わすために必要な対応策をいくつか列挙します。
①マイホームや子作りなどを諦めて生涯収支を合わせる
収支が合わないのであれば支出を減らしましょう。
生涯で必要になる経費で重たいのは
マイホーム取得維持費 約5,000万円
こどもにかかる費用 一人あたり約3,200万円です。
つまり、マイホームを諦めて、子どもを一人までにすると収支が合うため、65歳定年を迎えられます。

賢い人は以上のような計算がすぐにできてしまうため、子どもを2人以上作るというリスクを
取らない傾向があります。更に少子高齢化が進みますね・・・。
②節約、副業による増収、投資により資産を増やす努力をする
固定費の見直し等の節約により、年間の支出を50万円削り、
ポイントサイトやクラウドソーシングなどで副業を行い年間60万円(月5万円)稼ぎ、
積立NISA等の投資信託やIPO投資等などの投資で年間100万円資産を増やせるようになれば、
トータルで年間200万円以上黒字額を増やすことができます。
定年までの総収支は200万円×35年=7,000万円黒字額が増えます。

まだ、1,000万円足りないじゃん!
そんなことはありません。
副業で5万円稼ぐ力は定年後も十分機能しますし、
IPO投資なんかも、ローリスクハイリターン投資なので、
「守りの投資」として定年後もお金を増やすツールとして活躍するからです。
このコースでは、定年後に稼ぐ力が年間100万円上がるため、亡くなるまでの収支も理想的には
100万円×25年=2,500万円の改善が見込めますので、生涯収支は黒字となります。
③片働き家庭は、共働き家庭にシフトすることも視野に入れる
片働きでは手取り500万円の収入も、共働きにより手取り700~800万円以上になることが期待できます。
そうすると定年までの年間収支が200万円の黒字から500万円の黒字になり、
総収支で300万円×35年=1億1,500万円黒字額が増えるため、一気に老後問題が解決します。
最近、出産後も働く女性が増えたのも、上記のような背景があるためであると思われます。
我が家では②を実践

老後資産計算をし、一時は絶望を味わった我が家でも、生涯現役生活を抜け出すために、
②の方針で動き始め、成果を出しつつあります。
今まで意識はしてきた「節約」に関することを再度見直し、
収入を増やすためポイントサイトやアンケートサイト・メルカリなどでで小銭を稼ぎ、
稼いだお金で積立NISAやイデコなどの投資信託を始めたり、
IPOや個別株、FXなどの投資にも手を出し、成功や失敗を繰り返して経験を積んでいます。
②の節約・副業の目標は達成し、投資に関してもIPO投資を中心に年間50万円以上は利益を確保できるようになりました。
その概要に関しては、以下の3記事でまとめていますので、興味があれば宜しくお願い致します。
節約関係の記事はこちらへどうぞ。

投資関係の記事はこちらへどうぞ。

副業関係の記事はこちらへどうぞ。

まとめ
2,000万円の資産では、とても老後を乗り切ることができない可能性が高い
・老後を安心して暮らすためには4,000~6,000万円の資産が必要になってくる可能性が高い
・豊かな老後を目指すためには
①マイホームや子作りなどを諦めて生涯収支を合わせる
②節約、副業による増収、投資により資産を増やす努力をする
③片働き家庭は、共働き家庭にシフトすることも視野に入れる
など対応策が考えられる。
さいごに
特に2021年9月現在はコロナ禍にあり、一部の業績のよい会社を除いて、
ボーナスカットなど厳しい生活をしていらっしゃる方も多いかと思います。
そんな時代を生き抜き、お金を貯められるような、
みなさんの為になる情報を提供していけたらなと思っております。
ポイントサイトで良案件が出てきたり、
ネット回線のお得な乗り換え案件が出てきたり、
そういった今すぐお得になりそうな情報から、お金の基礎的なお話・各種節約・投資の基礎的な部分について、
できる限り自分の体験談を基に記事を書いていきたいと思っています。
今後とも当ブログを宜しくお願い致します。
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